神棚の前に立ち、手を合わせたとき。
「今日は、何を言えばよいのだろう」
そう思ったことはありませんか。
お願いしたいことがある日は、自然と言葉が浮かぶものです。しかし、特別な出来事のない日には、何を伝えればよいのか分からなくなることもあります。
神棚のお参りには作法がありますが、神さまへ伝える言葉を、毎日きれいに整える必要はありません。
神道に決まった唱えことばはある?
神社や神棚を拝む際の基本的な作法は、「二礼二拍手一礼」とされています。
一方、神道には、必ず唱えなければならない一つの決まった言葉があるわけではありません。神社本庁でも、神道には特別な唱えことばはないと説明されています。
大切なのは、言葉を間違えないことではなく、神さまへ心を向けることなのだと思います。
「おはようございます」
「今日も一日、よろしくお願いします」
そのような、いつもの言葉から始めてもよいのです。
お願い事がない日こそ、話せること
神棚は、困ったときだけお願いをする場所ではありません。
今日も無事に朝を迎えられたこと。
家族が元気に出かけたこと。
仕事を終え、いつもの家へ帰ってこられたこと。
振り返ってみると、何もなかったように感じる一日の中にも、伝えられることはたくさんあります。
「今日は何も起きませんでした。ありがとうございます」
そんな言葉も、立派な感謝ではないでしょうか。
大きな出来事がない日ほど、日常が守られていることに気づける日なのかもしれません。
長い言葉でなくてもいい
忙しい朝に、ゆっくりと時間を取れないこともあります。
そのような日は、手を合わせて「行ってきます」と伝えるだけでもよいと思います。
うれしいことがあった日は、報告する。
迷っている日は、心の内を話す。
一日を終えたら、無事に過ごせたことへ感謝する。
決まった文章を用意しなくても、その日の自分から出てくる言葉で構いません。
声に出せないときは、心の中で伝えるだけでもよいでしょう。
大切なのは、正しく話すことより、忘れないこと
神棚の前で、毎日立派なことを言う必要はありません。
言葉が短い日があっても、手を合わせられない日があっても、また思い出した日に神棚へ向かえばよいのだと思います。
大切なのは、正しく祈ることより、忘れないこと。
神棚を見るたびに、誰かを想ったり、今日あるものへ感謝したりする。その小さな積み重ねが、神棚のある暮らしをつくっていきます。
今日、神棚の前に立ったら、まずは一言だけ話しかけてみませんか。
「今日も、ありがとうございます」
それだけでも、十分なのだと思います。

モダン神棚・縁起物のかみさまとひかり