生きる意味とは、何だろう。
ふと立ち止まったとき、そんなことを考える日があります。
大きな夢を叶えること。
誰かに認められること。
何かを成し遂げ、名前を残すこと。
それらもきっと、人生を歩む力になります。
けれど、生きる意味は、もっと身近なところにもあるのかもしれません。
朝、目を覚ますこと。
誰かと「おはよう」と言葉を交わすこと。
温かい食事をいただくこと。
無事に帰ってきた人へ「おかえり」と伝えること。
あまりにも当たり前に繰り返されるため、私たちはその大切さを忘れてしまうことがあります。
けれど、今日と同じ一日は、もう二度と訪れません。
いつもの景色も、何気ない会話も、隣にいる人の表情も、本当は今日だけのものです。
人は、一人では生きていけません。
家族や友人、仕事で関わる人。
顔も名前も知らない誰かがつくったものや、誰かの働きに支えられながら、私たちは毎日を過ごしています。
自分の人生を生きているようで、その暮らしの中には、数え切れないほど多くの人の想いが重なっています。
だからこそ、人を想うことは、自分が一人ではないと知ることでもあります。
「元気でいてほしい」
「今日も無事に帰ってきてほしい」
「幸せであってほしい」
誰かのことを想う気持ちは、目には見えません。
それでも、その想いがあるだけで、かける言葉が変わり、行動が変わり、日々の過ごし方も少しずつ変わっていきます。
感謝も、同じです。
特別なことが起きたときだけではなく、何も起きずに一日を終えられたことに感謝する。
そばにいてくれる人に感謝する。
働けることに感謝する。
食べられることや、眠れる場所があることに感謝する。
感謝することは、無理に幸せだと思い込むことではありません。
苦しい日や、悲しい日があっても、その中に残っている小さな温かさを見つけることです。
今日、誰かが声をかけてくれた。
温かいお茶を飲むことができた。
帰る場所があった。
その一つひとつに気づくことで、私たちは、自分の人生が決して何もないものではなかったと知ることができます。
生きる意味は、最初から用意されている答えではないのかもしれません。
誰かを大切に想ったこと。
誰かに支えられたこと。
何気ない一日に、ありがとうと思えたこと。
そうした小さな出来事を重ねながら、自分でつくっていくものなのだと思います。
立派なことができなくてもいい。
すべての日を前向きに過ごせなくてもいい。
今日も誰かを想い、今あるものに少しだけ感謝できたなら、その一日はきっと、意味のある一日です。
生きる意味を遠くに探さなくても、私たちはすでに、誰かを想い、誰かに想われながら生きています。
そのことを忘れないために。
今日という日に、静かに感謝を。

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